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美術館・博物館・名建築のススメ

その86:メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年

*基本データ

場所:国立新美術館

行った日:2022/3

展覧会 URL ⇒メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年|企画展|展覧会|国立新美術館 THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO (nact.jp)

f:id:descri:20220312134238j:plain国立新美術館乃木坂駅 直結のルートもあります。

f:id:descri:20220312102001j:plainジョルジュ・ド・ラ・トゥール《女占い師》1630年代頃(部分)

101.9×123.5㎝、画面には5人の人物が描かれています。画題の女占い師は向かって右端の老婆、真ん中の男性はまわりの女性から金品を盗み取られています。この題材はカラヴァッジョ の作例を皮切りにヨーロッパで流行したそうです。(なぜ?ちなみに女性は皆ジプシーという設定なのだそうです)ジョルジュ・ド・ラ・トゥール はフランス古典主義の画家。なめらかな画面と明暗表現が特徴です。暗い室内でロウソクの灯りに照らし出されるマグダラのマリアの描写が有名で「夜の画家」とも呼ばれています。(会場にはカラヴァッジョ 《音楽家たち》1597年も展示されています)

f:id:descri:20220312102030j:plainヨハネス・フェルメール《信仰の愚意》1670~72年頃

114.3×88.9㎝、寓意とはそこに描かれているものが何かの「たとえ」になっているという事だそうです。(何がたとえになっているかの解釈は、解説がたくさんでていますのでそちらをご覧ください)まず目に入るのは描かれている女性のポーズ。他の作品では日常の一場面をこっそりのぞいたようなシーンが多いのですが、ここでは女性が地球儀の上にサンダル履きの足を乗せていますので実際の場面ではないことがわかります。窓は描かれていませんが左前から光が差し込んで、手前のカーテン、女性、机の上の経典を照らしています。女性の視線は天井からフェルメールブルーが使われているリボンに吊るされたガラス玉(ガラス玉は世界を表しているそうです)に向けられています。当時のオランダはプロテスタントが公認宗教でしたが、フェルメールカトリックに改宗していたそうで、この作品は家庭で行われるミサの様子を愚意画として描いたものだそうです。

キリスト教プロテスタントはルターの「聖書にかえれ」で有名な宗教改革以降の宗派で、カトリックはそれ以前からある宗派です。カトリック教皇を頂点とした階級があり、プロテスタントは人間は神のもとに皆平等という教えです。ちなみにカトリックでは神職にある人を神父と呼びプロテスタントでは牧師です。プロテスタントの礼拝もカトリックではミサと言います。

f:id:descri:20220312102049j:plainフランソワ・ブーシェ《ヴィーナスの化粧》1751年

108.3×85.1㎝、西洋美術史のなかで避けて通れないロココ美術。このような絵を描いているからフランス革命(1789年)が起こり、マリーアントワネットが処刑されてしまったんだと思います。(嘘です、語弊がありすぎます)ほかにフラゴナールの作品も展示されてましたが絵葉書はありあせんでした。

f:id:descri:20220312102107j:plainフィンセント・ファン・ゴッホ《花咲く果樹園》1888年

72.4×53.3㎝、ゴッホ1888年2月に南仏アルルに移住し、その年の春に描かれた作品で晩年の特徴的なゆがみはまだ見られません。木々の影が長く伸びているところから時間は早朝でしょうか。近景・中景・遠景と分かれ、農作業に使う道具を手前に大きく描き、木々の枝はくねくねとして葉は画面からはみ出しています。このような画面構成と明るい色彩は、日本の浮世絵のような雰囲気を感じさせます。