美術館・博物館・名建築 検索の備忘録

美術館・博物館・名建築のススメ

その206:鹿島海軍航空隊跡

*基本データ

行った日:2025/2

場所:茨城県 稲敷郡 美浦村(大山湖畔公園)

鹿島海軍航空隊跡URL⇒鹿島海軍航空隊跡

霞ケ浦湖畔の美浦村にある、ほぼ当時の姿のまま廃墟化し、現存している戦争史跡群。今まで立ち入り禁止で、一部だけ映画やドラマのロケ地として使用されていましたが、令和5年7月より一般公開になりました。(自分は大学生の頃、茨城県水戸市に住んでいたのですが、ここはある意味で昔から有名な場所でした。大学の近くに「カメラを止めるな」のロケ地もありますが、そこもある意味で有名な場所でした)

右側の茶色い建物(当時自動車車庫だった建物)の前が駐車場になっていますが、この道の先にも公園の広い駐車場があります。

中に受付と売店があります。

中はこんな感じで当時のままです。奥の受付で入園料を払います。軽油庫跡・慰霊碑および本庁舎のガイドツアーがあり、通常は入れない場所へも入れますのでおすすめです。

結構広いです。

軽油庫跡

慰霊碑

本庁舎は病院として使われていた時期もあるそうで、スロープはその名残だそうです。

まだ整備されていない場所も多く、少し危ないです。エアコンなどはないと思いますので夏は暑そうです。

うっ!宣言文のとなりに、ウワサの “誰でも鹿島海軍航空隊本庁舎になれる顔はめパネル” が・・・。ガイドツアー終了後にじっと見つめていたら、ガイドの方が「写真撮りましょうか」と言ってくださったのですが “臆病な自尊心と尊大な羞恥心” ゆえにお願いできませんでした。

ここを見学できるのは本当に感慨深いです。

湖畔のほうへ行ってみます。射出機(カタパルト)跡

荷揚港跡

当時、ここでは水上機操縦教育を主に行っていたそうです。

descri.hatenablog.com

 

その205:武者小路実篤記念 新しき村美術館

*基本データ

行った日:2025/2

場所:埼玉県毛呂山町

新しき村URL⇒美術館| 新しき村

ここは多少マニアックな美術館ですが、日本美術史上、避けて通ることはできない場所です。(避けて通る必要は全くありません)

武者小路実篤が作った「新しき村」の中にあります。なんとなく雰囲気のある導入部分です。

碑があります。

旗もあります。

美術館があります。なぜこの美術館が避けて通れないかというと、武者小路実篤志賀直哉柳宗悦有島武郎らが、明治43年に創刊した雑誌「白樺」が後期印象派などを紹介し、ロダンから彫刻を寄贈されたりしたからです。(日本に入った最初のロダンです)さらに白樺美術館設立のため、ゴッホの向日葵、セザンヌの自画像などを購入し、展覧会を開催したりもしました。残念ながらゴッホの向日葵は戦争で焼失してしまいましたが、展覧会の図録が残っていたため複製品が製作されています。大塚国際美術館にも展示されています)

この美術館には、武者小路実篤作品とそれに関係した作品のみ展示されていますが、そのような背景を想いながら見学すると感慨深いものがあります。(解説をしてくださった方のご厚意で事務所部分にあるゴッホの向日葵の複製画を見せていただきました)

残念ながら白樺美術館は実現しませんでしたが、当時購入された作品は大原美術館やアーティゾン美術館で観ることができます。

武者小路実篤白樺派の活動は、大正期、日本における西洋美術の定着と、多くの人たちの美術に対する理解を深めた点においても、大きな役割を果たしました。

その202:徳川ミュージアム 【必見! 燭台切光忠】

*基本データ

場所:茨城県水戸市

行った日:2025/1

博物館URL⇒ 「水戸徳川家」のまとまった史料がみられる唯一の博物館 » 公益財団法人 徳川ミュージアム

徳川ミュージアムは、水戸藩2代藩主徳川光圀公によって設けられた大日本史編さんの史局「彰考館」の事業を水戸徳川家から受け継でいる由緒正しき博物館。

来館目的は、もちろん「燭台切光忠」。

燭台切光忠 鎌倉時代

写真撮影OKです。(これですよ、これ)朝一だったため来館者も少なくゆっくり観れます。関東大震災で被災してしまった名刀。磨けば光るのではと思うほど状態は良いですが「燭台切光忠」はやはり黒。被災していても “迫力” が違います。

高熱で溶けた鎺が刀身に付着しています。

刀剣乱舞」のおかげで再発見された名刀、一見の価値あり。

八丁念仏

名前の由来や来歴など諸説あります。被災していますが名刀に間違いありません。

銘は読めません。

光忠カフェ、おいしいアップルパイが食べられます。

徳川ミュージアムは、水戸駅から少し離れていますが天気が良ければ偕楽園や仙波湖を散歩しながら行くこともできます。とにもかくにも「燭台切光忠」がゆっくり観られるのでおすすめです。

その201:モネ 睡蓮のとき

*基本データ

行った日:2025/1

場所:国立西洋美術館

展覧会URL⇒【公式】モネ 睡蓮のとき Le dernier Monet : Paysages d’eau|日本テレビ

日本過去最大規模のモネの《睡蓮》が集まる企画展。

その200:山梨県立美術館 山梨県立文学館

*基本データ

行った日:2024/10

場所:山梨県甲府市

美術館URL⇒山梨県立美術館 | YAMANASHI PREFECTURAL MUSEUM of ART

文学館URL⇒山梨県立文学館 | YAMANASHI PREFECTURAL MUSEUM of LITERATURE

ミレーコレクションで有名な美術館ですが 、前川國男設計の美術館としても一部の人にはよく知られています。

これを見るとちょっとうれしくなります。

エミール・アントワーヌ・ブールデル《ケンタウロス》1914年

岡本太郎《樹人》1971年

映像によるミレーの紹介が邪魔に思えるくらい整ったエントランス。

そして吹き抜け、2階への導線、思わず笑顔になってしまいます。展示室内は撮影不可ですが、ミレーコレクションは素晴らしい作品ばかりです。

文学館側から見た美術館、絵になります。

美術館側から見た文学館、こちらは前川建築ではありません。

文学館の館内。展示室は撮影不可です。美術館は展示室内撮影可のところも多くなってきましたが、文学館はほぼ不可です。

野外彫刻も充実しています。

フェルナンド・ボテロ《リトル・バード》1988年

舟越保武《花を持つ少女》1966年

佐藤正明《ザビッグ・アップルNo.45》2007~2008年

その199:尖石縄文考古館 2024秋

*基本データ

行った日:2024/10

場所:長野県茅野市

博物館URL⇒茅野市尖石縄文考古館 - 茅野市ホームページ (chino.lg.jp)

今年も茅野へやってきました。

今年も《仮面の女神

今年も《縄文のビーナス

体験コーナーも充実しています。

今年も康耀堂美術館。

番外編:埼玉県立近代美術館 MOMASコレクション 秋

*基本データ

場所:埼玉県さいたま市

行った日:2024/10

美術館URL⇒埼玉県立近代美術館 The Museum of Modern Art, Saitama

高田誠《村の入口》1955年

高田誠《野沢温泉》1955年

油彩とスケッチを観くらべることができる展示方法は、作品を鑑賞するうえでとてもありがたい。

《村の入口》は、スケッチとは異なり、全体的に単純化され、抑えた色調で平面的に塗り分けられていますが、画面の構成や色彩は考え尽くされています。右手前から奥へと続く道は、山の稜線へとつながり、観る者の視線を手前から奥へと誘導します。中央付近の建物の白や赤、青などのやや明るい色彩は、画面全体を引き締め、手前の白い欄干や青い屋根と呼応して奥行きを強調しています。さらに家や鉄塔(おそらく火の見櫓)などの人工物は直線と面で、木や山、道などの自然のものは曲線を使って表現されています。それでも作為的な感じがしないのは、全体が点描のような筆触に包み込まれているためで、むしろ懐かしさが感じられます。

詳しく観ていくと、道を歩く三人の子ども(?)がいて、一人は犬を連れているのでしょうか、楽しそうに村の中心街へ向かっています。人物は三人しか描かれていませんが、村にはたくさんの人たちが生活していることを想像させます。手前の木にはピンク色の花も咲いています。スケッチの野沢温泉は、油彩で普遍的な《村の入口》に昇華しているようです。