美術館・博物館・名建築 検索の備忘録

美術館・博物館・名建築のススメ

その182:DIC川村記念美術館

*基本データ

場所:千葉県佐倉市

行った日:2024/1

美術館URL⇒DIC川村記念美術館 | Kawamura Memorial DIC Museum of Art

DIC株式会社(旧 大日本インキ化学工業)が関連企業とともに収集した、20世紀美術に主眼をおいた美術品を展示する美術館。

美術館導入部分からすでに期待が高まります。

大変きれいに整備されています。

海老原一郎氏の設計、デザインモチーフは「重なる二つの円」だそうです。

清水九兵衛《朱甲面》1990年

エントランスホール

天井装飾、2つあります。

作品の撮影は不可ですが、現代アートの他にもレンブラント印象派など、他の展覧会や書籍などで目にしたことのある名品ばかりです。(作品が写らなければ展示室外の撮影はOKです)なお、主要作品37点には無料の音声ガイドが準備されていて、HPからアプリ⇒ 鑑賞ガイド | DIC川村記念美術館 がダウンロードできるようになっています。(事前に聞いてから作品を鑑賞するのもおすすめです)さらに、予約制ですが、毎日14時に館内を約1時間で巡るガイドツアーや、第3土曜日の14時からは対話型ギャラリートークも行われています。

どこの窓からの景色もすばらしい。

展示室の一角に茶席があります。エントランス付近ではなく、鑑賞の流れで立ち寄ることができる「展示室の一角」というところがうれしい。窓からは「絵画のような景色」を見ることもできます。

中央の建物はDIC総合研究所。

エントランスの天井装飾をイメージしたオリジナルの生菓子「光の華」。

フランク・ステラ《リュネヴィル》

目の前の建物は休憩室とレストラン「ベルヴェデーレ」、残念ながらひとりでは入りずらい、今度は家族で・・・。

あっ!あれは ジョエル・シャピロ《無題》

シャピロと言えば、磯崎新氏設計の福岡シティ銀行(現 西日本シティ銀行)本店の敷地内に《WALK》1988年という大きな作品がありました。銀座の画廊で働いていたころ、西日本方面担当だったため3年ほど福岡に部屋を借りて行き来していました。(四島司頭取が普銀転換を進めて福岡シティ銀行になったころです)福岡シティ銀行の各階には美術館といっても間違いではないくらい多くの美術品が展示されていました。(現在、建物は建て替えのため解体されてしまいました)

DIC川村記念美術館は、美術館としての機能も充実していて、スタッフの方も大変親切でいごこちのよい空間、1日かけてゆっくりと楽しみたい美術館です。

その181:ホキ美術館 【写実絵画専門美術館】

*基本データ

場所:千葉県千葉市

行った日:2024/1

美術館URL⇒ホキ美術館 HOKI MUSEUM (hoki-museum.jp)

昭和の森という大きな公園に隣接しています。千葉東金道路の中野ICから15分くらいで、わりとすんなり来れます。近くにチバリーヒルズもあります。(正式名称はワンハンドレッドヒルズです)

ホギメディカルの社長だった保木将夫氏の写実絵画コレクションを展示する美術館。館内は撮影禁止ですが、キャプションにQRコードがついていて、作家本人の話を聞くことができる作品もあり大変興味深い。

反対側から見るとこのようになっています。館内は広くて長い壁面と透明の仕切り以外は、ピクチャーレールや吊り下げワイヤー、壁面の目地もありません。導線も自然に次の展示室へつながるように考えられています。

ミュージアムカフェは休みでした。

森本草介アンティークドール》2012年

美術館のHPで保木氏へのインタビューが紹介されていて、森本作品との出会いについて語られています。⇒ホキ美術館について (hoki-museum.jp)

 

その180:博物館に初もうで

*基本データ

場所:東京国立博物館

行った日:2024/1

博物館URL⇒東京国立博物館 - 展示・催し物 催し物 イベント 博物館に初もうで (tnm.jp)

東洋館2階テラスから。

伊藤若冲《松梅群鶏図屏風》江戸時代 6曲1双

横山大観《無我》1897年

今年こそはよい年でありますように。

その179:もうひとつの19世紀 ブーグロー、ミレイとアカデミーの画家たち

*基本データ

場所:国立西洋美術館

行った日:2023/12

展覧会URL⇒もうひとつの19世紀―ブーグロー、ミレイとアカデミーの画家たち|国立西洋美術館 (nmwa.go.jp)

古典的な芸術様式を重んじたアカデミーの画家たちですが、19世紀の変化にとんだ時代に、需要に応じて主題や様式を変え、その伝統と歴史を後世に伝えようと努めました。

国立の美術館もSNSへの投稿を推奨しています。

ジョン・エヴァレット・ミレイ《あひるの子》1889年

今回は照明の影響なのか、背景が森で、後ろに道が続いている少し開けた池のほとりに少女が立っているように見えます。手に持っているものは紙に包まれたアヒルの餌のパン、そこにアヒルが集まってきています。この作品について、右側の大きな解説パネルでは、古典的な物語性や寓意性よりも感情に訴えかける情緒を優先させるファンシー・ピクチャー(空想絵画)と紹介されています。

ジョン・エヴァレット・ミレイ《狼の巣穴》1863年

画面には、室内にある大きなグランドピアノの前で、狼ごっこで遊ぶミレイの4人の子どもが描かれています。真ん中の茶色の毛皮に包まれてこちらを威嚇しているのが長男のエヴァレット、その隣で顔を出しているのが次女メアリー、白い毛皮をかぶっているのが次男のジョージ、退屈そうに寝転がっているのが長女のエフィ、そしてグランドピアノが狼の巣穴。ずっと見ていると子どもたちが狼のようにも見えてきます。人物や毛皮、服の繊細で写実的な描写に比べ、背景は荒いタッチで描かれ、スポットライトのように照らす光とともに、主題である子どもたちを引き立てています。

国立西洋美術館の中庭。この美術館には ロダン《考える人》は何体あるでしょう?というクイズの答えは3体です。前庭に2体(1体は地獄の門)と中庭に面したこの展示スペースに1体あります。

常設展を観ます。フランク・ブラングイン《しけの日》1889年

フェルナン・レジェ《赤い鳩と青い空》1953年

藤田嗣治《坐る女》1929年

ポール・シニャック《サン=トロペの港》1901-02年

アリスティード・マイヨール《花の冠》1889年

ジョヴァンニ・セガンティーニ《羊の剪毛》1883-84年

ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ《貧しき漁夫》1887-92年

日本でシャヴァンヌの油彩が常設で観られるのは、ここと大原美術館くらいです。

その178:テオ・ヤンセン展

*基本データ

場所:千葉県立美術館

行った日:2023/12

展覧会URL⇒ 開催中の展覧会 - 千葉県立美術館 (chiba-muse.or.jp)

JR千葉みなと駅から歩いて10分。

千葉県立美術館

1974年開館、設計は大高正人氏。大高建築は1970年半ばから三角屋根が多くなりましたが、ここもその一つ。まずは建築を観て回ります。

一番大きな三角屋根はこの柱で支えられています。柱は階段にもなっていて2階(?)に上がれるようになっています。ビーストがいます。

周りはこのような柱で支えられています。ここ(第7展示室)は通常広いホールになっていますが、今は簡易的なパーテーションで仕切られています。

郡司和夫《天使》1978年

展示台は柱の形に切り込まれていていたり、天使が串に刺されていたりしています。(笑)

県民アトリエ棟。機能的・・・ではなさそうな内部。

外の四角いものは雨水桝のようなものかもしれない。(機能的であるような、ないような)三角屋根から落ちる滝のような雨水も見てみたい。

角がとがっています。

磨き出されていないコンクリートの壁。

中庭に出ることができます。

大高建築ではあまり見たことがない池がありますが、やはりカクカクしています。

テオ・ヤンセン展会場入口写真・動画、ともに撮影可能です。SNSでぜひ拡散をお願いします。」とあります。(これですよ!これ)掲示されている解説だけでなく、SNSなどで、他の方がどこに注目して、どんな感想を持ったかを知ると、より鑑賞が深まります。

テオ・ヤンセン氏が作る、風の力で生き物のように動く巨大アート作品、ストランドビーストの展覧会。右側の展示では、ストランドビーストの仕組みを実際に動かすことができます。

仕組みは複雑なのですが、レバーを回すとすべての部品が生き物のように動き、一番下のえんぴつで図形を描きます。これだけではなく・・・

会場内にミニビーストをうちわの風で動かすことのできるスペースが準備されています。だけではなく・・・

《アニマリス・オルディス》2006年

こちらの展示では実際にビーストを手で押して動かすことができます。(もちろんやってみました、笑いが止まりません)だけではなく・・・

巨大なビーストを動かす実演も行われています。

《アニマリス・オムニア・セグンダ》2018年

《アニマリス・アデュラリ》2012年

《アニマリス・プラウデンス・ヴェーラ》2013年

《アニマリス・リジデ・プロペランス》 1995年

《アニマリス・ミミクラエ》2019年

《アニマニス・ウミナミ》2017年

《アニマリス・カリブス》2018年

小学校3学年理科の「風やゴムの力」という授業で、送風機を使ってほかけ車を走らせる実験があります。(地元の小学校で理科支援員などをやっています)その実験の中でミニビーストを動かせば児童は大喜びだろうな・・・などと考えましたが、こちらがメインになってしまいそう。(でもきっと記憶には残るでしょう)

カフェレストラン Shirayuri 。テオ・ヤンセン展にちなんで、オランダ国旗の赤白青のリボンでデコレーションされています。

11時ごろに行ったのですがランチメニューは11時30分からとのことでカレーになりました。(行かれる方はご注意を)12時すぎに前を通ったらほぼ満席した。(平日なのに大人気です)

最後に浅井忠先生に一礼して駅に向かいます。千葉県立美術館は浅井先生の研究とコレクションでも有名です。昔、福岡のコレクターのお宅で浅井先生の油彩を見せていただいたことがあります、個人で所有しているなんて驚きでした。熊本ではコレクターの方から青木繁のデッサンを見せていただいたこともあります。(2作品とも図録に掲載されているものでした)

美術館ですが科学博物館のようでもあり、得るものの多い展覧会でした。

その177:神奈川県立歴史博物館 旧館 【 横浜 名建築巡り ④ 】

*基本データ

場所:横浜

行った日:2023/12

博物館URL⇒ 神奈川県立歴史博物館 (kanagawa-museum.jp)

明治37年竣工、旧 横浜正金銀行本店として建てられたネオ・バロック様式建築。

ちなみに正金とは現金のこと。

展示室内が暗すぎないだろうか?

表示板にこの輝きが必要なのだろうか?

円覚寺舎利殿の実物模型なら、宮殿・観音菩薩立像・地蔵菩薩立像が無いのはなぜだろう?(そもそも北鎌倉に行けば本物が見れるのになぜここに模型が・・・)

社会福祉法人県央福祉会が運営する「喫茶ともしび」で食事もしました。

明治37年の建物の痕跡を探しますが・・・。

歴史・民俗系の博物館では、土器で始まり昭和初期の暮らしで終わるという展示の流れは普通で、実物資料よりもレプリカやジオラマなどの二次資料が多いのも普通のことですが、ここは何かが足りないような気がします。来館者が博物館に来る目的は人それぞれですが、その目的のためのコンテンツを準備することは必要だと思います。ミュージアムリテラシーという言葉がありますが、来館者が博物館を使いこなすためには博物館側に必要なことがある、というようなことをしみじみ考えながら退館しました。

その176:横浜三塔 【 横浜 名建築巡り ③ 】

*基本データ

場所:横浜

行った日:2023/12

キング URL⇒ キングの塔(神奈川県庁本庁舎)へようこそ! - 神奈川県ホームページ (pref.kanagawa.jp)

クイーン URL⇒ 資料展示室のご案内 : 横浜税関 Yokohama Customs

ジャック URL⇒ 横浜市開港記念会館 横浜市中区 (yokohama.lg.jp)

昭和3年竣工、キングの塔(神奈川県庁本庁舎)。

昭和9年竣工、クイーンの塔(横浜税関 )。

大正6年竣工、ジャックの塔(横浜市開港記念館)。

神奈川県庁本庁舎ではキングがある屋上に行くことができます。(平日のみ)正面入り口を入ると中央に階段、その両側にエレベーターがありますが屋上の6階まで行けるのは向かって左側です。

6階でエレベーターを出ると正面にドアがあり、そこから外へ出られます。

屋上展望台があります、左にクイーンが見えます。

クイーンの塔。

ジャックの塔。

キングの裏側、中は階段になっていて一番上は9階。

もちろん立ち入り禁止です。

螺旋階段。

ライト様式のテラコッタ。この建物の軒先を飾っていたもので、今も塔屋の一部に使われているそうです。

6階には神奈川県庁本庁舎 歴史資料室もあります。自分で、照明のスイッチを入れて、3分30秒の解説が流れるボタンを押して、鑑賞します。

クイーンの塔がある横浜税関には資料展示室があり、輸入禁止品などの展示が無料で見られます。

ジャックの塔がある横浜市開港記念館は、現在休館中で見学できません。

神奈川県立歴史博物館(旧横浜正金銀行本店)へ向かいます。