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その83:イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜ーモネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン

*基本データ

場所:三菱一号館美術館

行った日:2021/12

展覧会 URL ⇒イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜 ― モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン|三菱一号館美術館(東京・丸の内) (mimt.jp)

f:id:descri:20211211112115j:plain三菱一号館美術館イスラエル博物館所蔵、初来日の作品多数、1室すべて写真撮影可の部屋があります。(以下その写真↓)

f:id:descri:20211211112605j:plainクロード・モネ《睡蓮の池》1907年

101.5×72.0㎝、縦長の画面に水に浮かぶ睡蓮の花が描かれています。でも描かれているのは睡蓮だけではありません。詳しく見ていくと、まず目に入るのは手前のピンクの睡蓮の花、それが奥にいくほど小さくなっているため、視線が前方から後方へと誘導されます。そして今度は水面に映る明るくなりかけた空が、視線を画面奥から手前へと引き戻し、最後には水面に映る森の広がりによって、まるでその景色の中に立っているかのような感覚に導かれます。モネの絵の具で描き出されたものは、その瞬間の印象そのものです。

モネの睡蓮の絵は他に3点(DIC川村記念美術館和泉市久保惣記念美術館東京富士美術館 所蔵)出品されています。同じ部屋にこの3点が展示してあるのでモネがその時々の瞬間のを描いていたことがよくわかります。(とても贅沢な空間)これらの作品は1909年にデュラン=リュエル画廊で開催されたモネの「睡蓮:水の風景連作展」に出品された48点のうちの4点だそうです。

f:id:descri:20211211112632j:plainフィンセント・フアン・ゴッホプロバンスの収穫期》1888年

51×60㎝、明るい太陽に照らされた麦畑での収穫の様子が描かれています。プロバンスでも収穫時期は6月下旬頃だそうなのでそのころに描かれたのでしょうか。影がほとんど無いので時間は正午ごろなのがわかります。前景に刈り取られた後の畑と束ねられた麦の穂が大きく描かれ、中景に刈り取りを待つ麦畑と家、遠景に山並み、その中に小さく働く人物という構図からは日本の浮世絵の影響も見られます。麦畑を描いたゴッホの作品には麦畑と風景の境が画面中心より上に設定されているものも多く、生活感や安定感を感じさせます。

しかしながら自殺する直前に描いた《カラスのいる麦畑》では、境が画面中心より上にあるにも関わらず、麦は画家の不安定な精神を表しているかのように波打っていて、これから起こる出来事を暗示しているかのようです。

f:id:descri:20211221082833j:plainフィンセント・ファン・ゴッホ《麦畑とポピー》1888年 

54.5×65㎝、この作品は、ポピーの花が咲いているのでプロバンスの収穫期》よりも少し前の5月ごろに描かれたものでしょうか。こちらも前景には大きくポピーと植物(麦でしょか?)が描かれ、中景には麦畑と家、遠景には森という画面構成になっています。青々とした麦畑は豊かな実りを連想させ、プロバンスの明るい水色の空が、朱色の花の補色になって夏へむかっていく季節の躍動感を感じさせます。