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その84:小田原文化財団 江之浦測候所(部分編)

*基本データ

場所:JR東海道線 根府川駅から送迎バスあり

行った日:2021/12

江之浦測候所 HP ⇒江之浦測候所 | 小田原文化財団 (odawara-af.com)

f:id:descri:20220111102150j:plainこの参道は最近出来たものなのでガイドブックには載っていません。

参道を登ります。興味深いものがたくさんあります。

f:id:descri:20220111102350j:plainよく見ないと見逃しそう、道端にはカエルもいます。

f:id:descri:20220111102506j:plainこちらは「三角塚」にあった魔除け(ガーゴイル)と同様のものかも知れません。

f:id:descri:20220111102314j:plain「赤沢蜂巣観音」なぜ蜂巣かは見ればわかりますが由来を知りたい。

f:id:descri:20220111113136j:plain「Stone age」なので石器時代のカフェということになるのでしょうか?もしかして石臼で挽いたコヒーとか・・・。(建築途中)

f:id:descri:20220111103047j:plain景色が素晴らしい。車で行ったときはここで一休みしてから見学するのもいいかもしれない、楽しみです。

f:id:descri:20220111105140j:plain「明月門」には柑橘山の看板があります。

「明月門」は、鎌倉にある「あじさい寺」の正門として室町時代に建てられてから、いろいろな方の所を経てここに再建されたそうです。(ガイドブックにク詳しく記載されています)古い素晴らしいものを残し伝えていくということは、時間もお金も必要だし、何よりも残そうという強い思いがないと出来ないことだと改めて感じさせられます。

f:id:descri:20220111105833j:plain天平時代の温度で焼くよう依頼して作られた瓦だそうです。小田原文化財団のロゴマークが軒丸瓦に使われています。

f:id:descri:20220111105534j:plainめずらしい「木賊張り」が施された塀。京都の桂離宮表門、伊勢神宮茶室などにもあるそう。(ガイドブックより)

f:id:descri:20220111105611j:plain釘。

f:id:descri:20220111103527j:plain苔むした「大官大寺 瓦」、計算されつくされた景色、言葉がありません。

f:id:descri:20220114171519j:plain多くの場所に地元の「根府川石」が使われています。

f:id:descri:20220113153048j:plain夏至光遥拝100メートルギャラリー」の大谷石自然剥離肌。

f:id:descri:20220113153129j:plainわかりにくいですが、展示されている「海景」シリーズの作品名です。

その先では相模湾の「海景」が見られます。

f:id:descri:20220114165453j:plain足元に光学ガラスのインゴッドを土台にした柵があります。

f:id:descri:20220111152105j:plain「光学ガラス舞台」の光学ガラス。レンズの材料になるものだそうで、波の模様は製造過程でできるのだそうです。目の前の海の波と呼応するように輝いています。

f:id:descri:20220111150520j:plain「光学ガラス舞台」の土台は清水寺の舞台と同じ「懸造り」。(釘は使われていないのでしょう)

f:id:descri:20220111150228j:plain冬至光遥拝隧道」には船や橋などに使われる「コールテン鋼材」が使われていて、表面が錆びることによって保護膜を作りそれ以上の錆びを防ぐのだそう。

f:id:descri:20220111150302j:plain「光井戸」井戸枠は室町~江戸時代のも、その中に光学ガラスのかち割が敷き詰められています。

 

f:id:descri:20220115105129j:plain「三角塚」の扉石と向かって右側の黄色っぽい石が古墳の石。古墳に使用されることが多い兵庫県高砂市産出の「竜山石」だそうです。(他は根府川石)

f:id:descri:20220114173653j:plain「石舞台」四隅の隈石は、近隣の早川石丁場跡から発掘された江戸城石垣のための根府川石の巨石で(ガイドブックより)、現在の大手濠(大手門の前の堀)に石材が同じようなのものがあるそうです。

f:id:descri:20220114144917j:plain「旧奈良屋門」の塀には土を固めて作る「版築」という古代工法が使われているそう。法隆寺の版築塀にはこの瓦のようなものは無く、押し固められて層になった模様が見られます。

f:id:descri:20220111164114j:plain茶室「雨聴天」。国宝「待庵」の寸法を一分の違いもなく写したそうです。(ガイドブックより)

f:id:descri:20220111164146j:plain雨が降ると音がするトタンの屋根。(ここが本歌取り

f:id:descri:20220111164221j:plain光学ガラスの沓脱石。(ここも本歌取り、芸術的なヒビが入っています)

f:id:descri:20220115120348j:plain「化石窟」看板が「古美術 杉本」になっています。杉本氏はニューヨークで10年くらい古美術商もやっておられたそうです。中には化石だけでなく様々なものが飾られています。

自分が初めて見た杉本氏の作品は《シネマ・ドリーム・ハリウッド》でした。画面中央に発光体のような長方形があり、それによって無人の館内が照らし出されていました。何だろうと思い、その撮影方法を知り、そして写真は瞬間を切り取るものという自分の概念が覆されました。そこには「劇場」の歴史そのものが映し出されていました。

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このような立派なガイドブックがもらえます。2021年12月現在、館内54か所の詳細な説明が記載されています。