*基本データ
場所:千葉県野田市
行った日:2022/12
美術館URL⇒MOMOA – 茂木本家美術館
日本一のしょうゆメーカー「キッコーマン」の美術館に併設されているMOMOAカフェのモモア弁当が食べたい、のですが2人からしか予約ができない。(え~っ!)
彦坂裕氏が設計。
外壁に野田で焼かれている瓦が使われています。
入館するとまず絵画のような景色が目に飛び込んできます。一緒に外を見ているのは、船越保武《ローラ》1980年です。
キッコーマン創業家の一つである茂木家の十二代当主茂木七左衞門氏のコレクションを展示している美術館、展示室は3部屋あります。
この美術館では外光が効果的に使われています。棚の中には平櫛田中の作品などがあり、時間によってカーテンを閉めるものと思われます。
梅原龍三郎《鯛》1956年
37×49.5㎝の作品ですが、大胆な筆致と色彩、背景の深い白と器に乗せられた色彩豊かな鯛のコントラスト、そして鯛の眼力に圧倒されます。この作品が美術館を作るきっかけになったのだそうです。
富士山だけの部屋があります。ここでも天井に「富士山軸」と呼ばれる窓が切られていて自然光を取り込んでいます。
松本哲男《一宇一月明》1992年
「一宇一月明は、冬の忍野で月明かりに浮かぶ富士山に感動した先生の造語」だそうです。
左の小さな部屋から上を見上げると何かが見えます。
コラムコートと呼ばれる解放感抜群の空間。千住博《朝の富士》があります。
浮世絵の展示室への入り口。舟越保武、富永直樹のブロンズと福王寺法林《ヒマラヤの朝》があります。外光が入らないようカーテンで仕切られています。
浮世絵作品には専門的かつわかりやすい解説がついています。きっと名のある方がdescriptionをお書きになっているのだと思われます。
他に鑑賞者がいるときには長居はできませんが、作品記述を読みながら鑑賞しているとすぐに1時間過ぎてしまいます。マットを使用しない額装や展示方法が玄人好みです。
歌川広重《名所江戸百景 上野山内月のまつ》1857年(版元は下谷魚栄)
こんな感じです。
梅素亭玄魚《目録》1858年頃
二代歌川広重《名所江戸百景 赤坂桐畑雨中夕けい》1859年
名所江戸百景は目録をあわせて119点でしたが、これが幻の120点目。
1人では食べられないモモア弁当があるMOMOAカフェ。「一般公衆のレクリエーションに資するために必要な事業を行う」ことも博物館の役割なので、いつも併設のレストランやカフェに寄ってそれが十分に果たされているかを検証しています。(嘘です)そんなことより日本一のしょうゆが使われているであろうモモア弁当が食べたかった。
塩・コショウ入れセットのコレクションが並んでいます。(しょうゆさしじゃない?)
茂木本家の柿渋で塗られた塀と紅葉。
こちら側には稲荷神社があります。和菓子もカップもハイセンス。(写真は下手です)
稲荷神社側から見たところ、半透明の立方体が乗ったタワーは中から見上げると「月」が見えます。
展示空間や手間のかかる外光の使い方、作品記述、展示方法、レストランメニューなど学ぶところの多い美術館です。