*基本データ
場所:東京都美術館
行った日:2021/9
展覧会 URL ⇒ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント|東京都美術館 (tobikan.jp)
チケットがデジタル化されてしまったため当日券を買ってみましたが、レシートにQRコードがついたものでした。(残念)しかもフィンセで切れています。フィンセント・ファン・ゴッホ《レモンの籠と瓶》1888年5月
ゴッホは1888年2月に南仏のアルルに移住します、そして5月にこの絵を描きました。構図・色彩・マチエールが見事に調和しています。黄色の背景に黄色のレモン、オレンジと緑の瓶のアクセントは、後に描かれる「ひまわり」と同様の配色です。
フィンセント・ファン・ゴッホ《黄色い家(通り)》1888年9月
手前真中の緑扉の家がゴッホが借りた黄色い家です。空の青と建物の黄色のコントラストが印象的で、希望に満ちた画家の想いが伝ってくるようです。(ゴッホは前月に「ひまわり」を4枚描いています)
翌月にゴーギャンがアルルへやってきますが、その2か月後に事件が起きます。
フィンセント・ファン・ゴッホ《サン=レミの療養院の庭》1889年5月
1888年12月の耳切事件のあと、1889年5月に入院したサン=レミ=ド=プロバンスの療養院の庭を描いたもの。この作品でも空は青、建物は黄色に塗られています。うねるような筆触はまだ見られません。(12月から入院するまでに3枚のひまわりを描いています)
フィンセント・ファン・ゴッホ《夜のプロヴァンスの田舎道》1890年5月
夜の田舎道、手前に2人の人物、その後ろに男女が乗った馬車、そして遠方に明かりが灯る建物。楽しいひと時を過ごした店(?)から帰宅する様子が描かれているのでしょうか、空には三日月と星が輝いています。
ゴッホはこの光景をロマンチックと表現したそうですが、まるで動ているかのような糸杉、オレンジの三日月、渦巻く夜空、うねる風景は画家の精神が壊れていく様子すら感じさせます。
そして今でも見る者が言葉を失ってしまうほどの輝きを放っています。
この作品が完成した1890年5月、プロバンスからパリ郊外オーベール=ジュ=オワーズに移住し、2か月後の7月、画家は自ら命を絶ちます。