美術館・博物館・名建築 検索の備忘録

美術館・博物館・名建築のススメ

その75:藝大コレクション展2021 II期 東京美術学校の図案―大戦前の卒業制作を中心に

*基本データ

場所:東京藝術大学大学美術館

行った日:2021/9

展覧会 URL ⇒藝大コレクション展 2021 (geidai.ac.jp)

f:id:descri:20210925185330j:plain竹内久一《伎芸天》(部分)1893年

f:id:descri:20210925185551j:plain東京藝術大学大学美術館は六角鬼丈氏の設計、台東区の建築景観賞を受賞しています。素材へのこだわりが随所に反映された建物で、エントランスには螺鈿が施された大きな黒漆の柱、ガラスインゴットの椅子などがあります。

f:id:descri:20210928152447j:plain黒漆の柱。  

f:id:descri:20210928152511j:plain施された螺鈿

f:id:descri:20210928152559j:plainガラスインゴッドの椅子。

f:id:descri:20210928152621j:plainf:id:descri:20210928153429j:plainわかりにくいですが柱と椅子のコラボ。

f:id:descri:20210925185354j:plain尾形光琳《槙楓図》屏風 18世紀

今回の目的はこれ。

山種美術館には俵屋宗達が描いた《槙楓図》がありますが、この作品はそれを模写したものです。(同じように尾形光琳が模写したものに風神雷神図屏風などがあります)比べてみると尾形光琳のもののほうが槙の葉がすっきりとしていて木の幹もやや穏やかに表現されています。一見して異なるのは向かって左端に描かれている槙の木です、俵屋宗達のものより広がりがあり空間を意識しているかのようです。向かって右側の楓の木も俵屋宗達のものでは、どのように枝が伸びているのかわかりずらかったのですが、こちらでは根元から2本に分かれて枝を伸ばしているのがはっきりとわかります。風神雷神図屏風でも俵屋宗達の雷神は背中の太鼓(?)が画面からはみ出していますが尾形光琳のものは画面の中に納まっています。私見ですが尾形光琳の作品のほうが装飾性が強調されているような感じがします。

f:id:descri:20210926091437j:plain美術館の向かい側に「陳列館」があります。1929年5月竣工、黒田清輝記念館と同じ岡田 信一郎氏の設計 。

f:id:descri:20210928161929j:plainf:id:descri:20210928161959j:plainf:id:descri:20210928162042j:plainf:id:descri:20210928162318j:plain一階にも展示室かありますが2階へ上がります。

f:id:descri:20210928162351j:plain天井に明かり取り用の窓があります。

f:id:descri:20210926091529j:plain藝大アートプラザ側からみると窓がよくわかります。

f:id:descri:20210928163848j:plainf:id:descri:20210926091604j:plain黒田清輝記念館にも使われているスクラッチタイル。よく見ると補修されているらしく新しいタイルはひっかきの跡が整っています。