*基本データ
場所:国立西洋美術館
行った日:2023/11
展覧会URL⇒【公式】パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展―美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ|国立西洋美術館 (exhn.jp)
セザンヌで始まりレジェで終わる展示構成、ピカソ、ブラックが中心ではないキュビズムの紹介、そしてメインビジュアルがドローネー《パリ市》と聞けば、いてもたってもいられません。
パブロ・ピカソ《女性の胸像》1907年6~7月
ジョルジュ・ブラック《レスタックの高架橋》1908年初頭
ピカソの《アヴイニヨンの娘たち》1907年とともにキュビズムといえばこれ、という作品。「キューブ」という言葉が最初に使われたのもこの作品でした。空や木々の表現にセザンヌの構築的筆触と呼ばれる斜めの線が使われ、遠近法を無視した画面からは四角い家が転がり落ちてくるようです。
マリー・ローランサン《アポリネールとその友人たち(第2バージョン)》1909年
真ん中がアポリネール、向かって右側がローランサン、2人の間にいるのがピカソ、左側の女性はピカソの恋人のガートルード・スタイン、当時の関係性が良くわかります。全体的に曲線で描かれ、やわらかな彩色も施されています、犬とかに少しキュビズムが入っているのでしょうか。
パブロ・ピカソ《肘掛け椅子に座る女性》1910年
ロベール・ドローネー《パリ市》1910~12年
ピカソやブラックのキュビズムとは異なる「サロン・キュビズム」の代表作。古典的な題材の三美神やエッフェル塔などが色彩豊かに描かれています。
フェルナン・レジェ《婚礼》1911~12年
画面中央の花嫁は白く見える薄ピンクのドレスを着ていて、花婿はその上にいるシルクハットをかぶった黄色っぽい人物で、花嫁の肩に手を置いています。周りには2人を祝福する人々が描かれ、活気あふれる婚礼行列の様子が見て取れます。2作品ともピカソ、ブラックのキュビズムとは異なっています。
マルセル・デュシャン《チェスをする人たち》1911年12月
マルク・シャガール《墓地》1917年
シャガールもキュビズム、日本では東郷青児や萬鉄五郎などもキュビズムの作品を描いていました。
キュビズム以降、コルビュジエらが提唱したピュリズムは、モチーフがわかりずらいものではなく簡素な形態と厳格な構図や色彩を特徴としていました。
ル・コルビュジエ《水差しとコップ-空間の新しい世界》1926年
2019年に開催された「ル・コルビュジエ 絵画から建築へーピュリズムの時代」展でも観たもの。(大成建設コレクション、大成建設はコルビュジエの作品をたくさん持っています)
展示の最後は、近代美術から現代美術への流れを暗示するような作品。
今回の展覧会で1番好きな作品は↓アメデオ・モディリアーニ《カリアティード》20世紀