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その153:ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会

*基本データ

場所:森美術館

行った日:2023/6

展覧会URL⇒森美術館開館20周年記念展 ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会 | 森美術館 - MORI ART MUSEUM

ルイーズ・ブルジョワママン》2003年(1999年)

ママンは母親という意味、なぜクモが母親なのか?深い意味があるらしい、ということを考えながら美術館入口に向かいます。

今回の来館目的は ジョセフ・コスース《1つと3つのシャベル》1965年 です。滋賀県立美術館の所蔵品。ジョセフ・コスース(1945年-)はコンセプチュアルアートの第一人者で、1970年、ニューヨーク近代美術館における「インフォメーション」展の共同企画で、実際の作品に価値があるという従来の考えを否定し、目に見えない観念を優位に置く考えが世界中に広まるきっかけを作りました。

1番最初に展示されています。

写真がないのでわかりづらいですが、この作品は3種類の「シャベル」を表すもので構成されています。「シャベルの実物」が中央に置かれ、向かって左側にほぼ実物大の「シャベルの写真」、右側に「辞書のシャベルについての解説を拡大したパネル」が配置されています。《1つと3つのシャベル》という題にあるように、1つの「シャベル」が3種類のもので表現されています。

まず「シャベルの実物」に目がいきますが、手作りの美しいものではなく普通の工業製品です。そのあとに「辞書のシャベルについての解説を拡大したパネル」を観て(英語なので断片的にしか読めません)、シャベルを文字で表現するとこのようになるということを認識します。最後に「シャベルの写真」を観ると「百聞は一見に如かず」という言葉を思い出しますが、世の中には形だけではそれが何なのかわからないものも多くあると気づきます。そもそも「辞書のシャベルについての解説」のような概念が先にあり、それをもとにして頭の中で考えたものが「シャベルの写真」で、それを具現化したものが「シャベルの実物」なのでは、というような普段考えないようなことが頭の中でぐるぐると回ります。コスースのコンセプトにはまっています、これだけで来た甲斐があります。

でも、実際にこの作品を観て最初に頭に浮かんだのは「これはシャベルではなくスコップでは?しかも角スコなのでは?」ということでしたが、これは作品のコンセプトとはおそらく違うと思われますのですぐに却下しました。

ヤン・ヘギュソニック・ハイブリッド──デュアル・エナジー》(《ソニック・ハイブリッド──冷却反転》と《ソニック・ハイブリッド──移り住む、オオタケにならって》)2023年

宮永愛子《Root of Steps》2023年

ナフタリンが昇華し、再結晶化して、アクリルケースに付着しています。

イー・イラン《 TIKAR/MEJA(マット/テーブル》2022年

ハラーイル・サルキシアン《処刑広場》2008年

自己主張が強く、どちらかというと矛盾や批判というような意味を内包する作品が多い現代アート。控えめで「様々な幸せのかたち」を内包しているような現代アートが観たい。

奈良美智《Miss Moonlight》2020年