美術館・博物館・名建築 検索の備忘録

美術館・博物館・名建築のススメ

その157:金沢21世紀美術館 【もはや美術館ではないのかも・・・】

*基本データ

場所:石川県金沢市

行った日:2023/7

美術館URL⇒金沢21世紀美術館 | 21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa. (kanazawa21.jp)

2004年開館。設計は 妹島和世西沢立衛SANAA十和田市現代美術館、軽井沢千住博美術館に続き西沢建築の3館目、円形で外周はガラス張りです。外から中が見えるということは中からも外が見えます。かなり開かれています。

オラファー・エリアソン《Colour activity house(カラー・アクティヴィティ・ハウス)》2010年

ロリアン・クラール《アリーナのためのクランクフェルト・ナンバー3》2004年

SANAA《パビリオン「まる」》2016年

LAR/ フェルナンド・ロメロ《ラッピング》2005年

つり下げ式ではなく、油圧で上下するエレベーター。

有名なプールの水の下に入れる作品です。金沢21世紀美術館は無料で鑑賞したり利用できるスペースがほとんどですが、ここは展覧会チケット購入が必要になります。

レアンドロ・エルリッヒ《スイミング・プール》2004年

一週間前からの時間予約制で水面下に入れます。

観賞できる時間は5分間ですが、落ち着いて鑑賞できません。スマホでの記念撮影を頼まれ続けました・・・)

ヤン・ファーブル《雲を測る男》1998年

梅雨の時期とは思えない空の色、測る雲もありません。

奈良美智-Dog-o-rama」が無料で鑑賞できます。

《Dog-o-rama》2006年

「犬」をモチーフにした2つのプロジェクト型の作品。⇒金沢21世紀美術館 | 奈良美智 ―Dog-o-rama (kanazawa21.jp)

「Pup Up the Dog」は、人々から持ち寄られた古着等の布類を詰め、全長7メートルの巨大なぬいぐるみ「Pup King」を完成させるという1つめのプロジェクト。

「Pup Patrol」は、犬の着ぐるみを着た子どもたちが美術館の中を巡ることにより、作品世界が拡がっていくという2つめのプロジェクト。

これを着た子どもたちが美術館を巡ります。

《Lonely Moon / Voyage of the Moon》2006年

奈良美智展「Moonlight Serenade-月夜曲」のためのドローイング一式(22点)

「Moonlight Serenade-月夜曲」は2006年~2007年にかけて開催された展覧会。⇒金沢21世紀美術館 | 奈良美智展「Moonlight Serenade -月夜曲」 (kanazawa21.jp)

「コレクション展1」松田将英《The Big Flat Now》2022年

ジョセフ・コスース 《北極グマとトラは一緒に戦うことはできない。》1994 年

フロイトの言葉だそうですが、それは別として、自由主義共産主義キリスト教イスラム教などに置き換えてみても、一緒になって様々な問題に取り組むことはできない、どちらか1種類にならなければいけない、という思考が争いにつながるのか・・・などといろいろなことを考えさせられます。

時間をあけて何度も観に行きますが、その都度、頭に浮かぶことは異なります。森美術館での1つと3つのシャベル》に続いてコスースのコンセプトにどっぷり浸かっています。(今回の来館目的の1つはこれ)

「まるびぃすくすくステーション」以前、博物館教育論で「地域の人材や環境を活用した博物館の事業について」というレポートを作成したことがあり、そのときに実例として取り上げさせていただいたのが金沢21世紀美術館(愛称:まるびぃ)でした。

日本の博物館法(博物館法 第二条)に「博物館(美術館含む)とは、歴史、芸術、民族、産業、自然科学等に関する資料を収集し、保管し、展示して教育的配慮の下に一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資するために必要な事業を行い、あわせてこれらの資料に関する調査研究をすることを目的とする機関」とありますが、金沢21世紀美術館は、HPにあるように、市民や産業界などの組織と連携し、今までの博物館の定義には当てはまらないであろう様々な取り組みを実施しています。イメージとしては、金沢21世紀美術館の一部に「博物館としての機能」がある、という感じでしょうか。HPの「美術館のコンセプトについて」では「まちの広場」とも表現されています。