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その148:青森県立美術館 【シャガール「アレコ」舞台背景画 と 奈良美智 あおもり犬】

*基本データ

場所:青森市

行った日:2023/5

美術館URL⇒青森県立美術館 (aomori-museum.jp)

この美術館のホームページはTOPが「青森県立美術館に行く」というページで、休館日や利用料金、アクセス方法、フロアマップなどがすぐにわかるようになっています。知りたい情報に最初にたどり着く感じがストレスフリーです。

マルク・シャガール《バレエ「アレコ」のための背景画》1942年

この作品を展示しているアレコホールでは、時間になると作品の紹介が音楽とともに流れます。

バレエ「アレコ」はロシアの作曲家セルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)によるオペラ。同じロシアの文豪アレクサンドル・プーシキン(1799-1837)叙事詩「ジプシー」を原作とした物語。

文明社会に嫌気がさしたロシア貴族の青年アレコは自由を求めてロマ(ジプシー民族はロマとう呼称が一般的になっています)の一団に加わり、首長の娘ゼンフィラと恋に落ちました。しかし自由奔放なゼンフィラは別の若者と恋に落ち、それを知ったアレコは・・・。

第1幕《月光のアレコとゼンフィラ》

動きを感じさせる青で表現された空には月が輝き、湖にはそれが映っています。右下にはロマのテントが描かれ、恋に落ちたアレコとゼンフィラが寄り添って宙に舞い、鶏は物語の始まりを告げているかのようです。

第2幕《カーニバル》

アレコはロマの仲間と旅をしながらロシアの村々を巡ります。画題のカーニバルの季節にはサーカスの一団に加わり、動物に芸をやらせたり、仲間と歌い踊りながら自由で気ままな暮らしを楽しんでいました。背景は明るく、画面左下には魚眼レンズでのぞいたような農村の景色と、楽器を持った熊や猿、満開の花が咲く木の枝が描かれています。寄り添う雲はアレコとゼンフィラでしょうか、全体から楽しい雰囲気が伝わってきます。

第3幕《ある夏の午後の麦畑》

ゼンフィラが新しい恋人に心を奪われてしまいます。アレコは自分のもとへ戻るよう懇願しますがとりあってもらえません。画面上方には2つの大きな太陽が描かれ、一方は光り輝き、もう一方はその輝きにあこがれるかのように寄り添っています。画面下方の麦畑から続いている湖には、折れて落ちていく木の枝と、太陽の赤とは対照的な青色で塗られた舟に乗る一人の男が描かれています。ゼンフィラの愛を失ったアレコの姿でしょうか。(第3幕はアメリカのフィラデルフィア美術館に収蔵されていますが現在は青森県立美術館が借用し展示しています、4点一緒に展示されるのは今だけです)

第4幕サンクトペテルブルグの幻想》

最終幕、嫉妬に燃えるアレコはゼンフィラの新しい恋人を刺し殺してしまいます。絶望したゼンフィラもアレコが手にするナイフに自らの身を投げ出します。自由を求めてロマの一団に加わったにもかかわらず、ゼンフィラの自由奔放さを許せなかったアレコ。渦巻く夜空に、真っ赤に染まったサンクトペテルブルグの街並みと「青銅の騎士像」のシルエットが浮かびあがっています。左下には悲劇的な結末を暗示する墓地や教会、十字架が描かれ、画面中央には車を引きながらシャンデリアめがけて駆け上がってく白馬が描かれています。

奈良美智《Last Right》1994

奈良美智《1,2,3,4!It's everything/Aomori Version》2008年

奈良美智《Lampflowers》1993

奈良美智《White Riot》1995

奈良美智《幽霊人魚》1995年、奈良美智《幽霊アザラシ》1995年

奈良美智《Puff Marshie》2006年

奈良美智《アオモリ・ヒュッテ 1 》2016年

奈良美智《アオモリ・ヒュッテ 2 》2016年

奈良美智まぼろしの犬のピラミッド》1993年

奈良美智《Little Fat Baby》1994年

奈良美智+松井紫朗《Channel》1994年

奈良美智《Broken Heart Bench/Aomori Version》2008

奈良美智《HULA HULA GARDEN 》1994年

奈良美智《あおもり犬》2005年

奈良美智《Miss Forest/森の子 》2016年

「café4匹の猫」の県産牛のビーフカレー、ごはんがあおもり犬の形をしていたらいいのになぁ。

茶色い建物が《Miss Forest/森の子 》がいる「八角堂」、その横の長方形の窓が「café4匹の猫」。

雪に埋もれる「あおもり犬」も見てみたい。