*基本データ
場所:青森市
行った日:2023/5
美術館URL⇒棟方志功記念館 (munakatashiko-museum.jp)
1975年開館の歴史のある美術館ですが、諸事情により2024年3月で閉館になり、作品は青森県立美術館に移管されるそうです。
校倉のような外観。
2階へあがるとチケット売場があります。
《二菩薩釈迦十大弟子》1939年(改刻前)板画
二菩薩の版木は戦火で焼失してしまったため彫り直されましたが、この二菩薩は改刻前のもので、彫り直されたものとは裳の模様が異なります。
《花矢の柵》1961年 板画
青森県庁新庁舎の正面玄関を飾った作品と同じ版木を使ったもの。青森県庁の作品(現在は青森県立美術館所蔵、HPで画像が見られます)には裏彩色がされていますが、こちらは墨が使われています。252×711㎝の画面に「花矢を空の四方に向かって射るというアイヌの祭り」をテーマにした、4人の人物と4頭の馬、太陽を表す八咫烏、月を表す兎が描かれています。
《手に負う者達々の柵》1968年 板画
ボッティチェリ《ビーナスの誕生》に感動して描かれたもの。なんとなく貝の上に人が立っているように見える。
《怒天神の柵》1962年 板画
荏柄天神社の天神坐像から想を得て描かれた作品。怒りに満ちた菅原道真の姿が描かれています。
「柵」「板画」についての説明。
《雑華堂井戸碗像図》1970年 倭画
描かれているのは棟方本人と二番目の孫。棟方は日本画用の絵具で描いた自分の肉筆画作品を「倭画」と呼びました。絵巻物や障壁画に代表される伝統的な日本の絵画に対する称賛を込めて「やまと」の語を使用したそうです。
《志功三楽屏風》1959年 倭画
三つの楽しみ「故郷青森を想うこと」「家族で茶を嗜むこと」「絵を描くこと」が描かれています。
《太陽花図 瑠璃》1972年 油絵
油絵も描いています。ゴッホの《ひまわり》を連想させます。
《太陽花像図》1972年 油絵
《腰越富嶽図》1965年 油絵
《妙》1960年、《華厳》1971年 書
《華厳》は龍泉寺美術館でも見ました。棟方は「書というものは、やはり、技巧でなく、形態を見せるものでなく、心頭ほとばしるところから生まれるものでなくてはいけないと思ったのです。見られる形よりも、書かれる気韻を土台にして生動するものを見せたい」と語っています。(板極道1964年)
「あおもり りんご花まつり」ポスター1969年
これが一番きれいで印象に残っています。(もちろん冗談です)
鎌倉市にあった「棟方板画美術館」が2010年に閉館になり、作品がここ「棟方志功記念館」に移管されました。そして「棟方志功記念館」も2024年には閉館になり、作品は「青森県立美術館」に移管されます。個人美術館存続の難しさを考えてしまいます。