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その144:猪熊弦一郎展『いのくまさん』

*基本データ

場所:茨城県立近代美術館

行った日:2023/4

展覧会URL⇒ 猪熊弦一郎展『いのくまさん』 | 茨城県近代美術館 | The Museum of Modern Art, Ibaraki (ibk.ed.jp)

猪熊源弦一郎の作品を紹介した絵本『いのくまさん』(文:谷川俊太郎)に出てくる作品の展覧会。作品はすべて丸亀市猪熊弦一郎現代美術館所蔵です。(今回は写真撮影不可でしたが、最近は写真撮影可の展覧会や美術館も増えてきました)

「いのくまさんのしごと」コーナーにJR上野駅中央口改札壁画《自由》の1951年当時の写真パネルが展示されていました、今とはずいぶん景色が違います。現在の姿はこうです。

美術館の敷地内に中村彝のアトリエが再現されています。開館時間に注意、平日13時~15時、土・日・祝日10時30分~15時(休館日以外)。

中村彝《雉子の静物》1919年

補色を使った深い色彩で画面が構成されていて、筆跡が残る荒いタッチで描きながらも雉子のふんわりとした羽の質感が表現されています。

ギュスターヴ・クールベ 《フランシュ=コンテの谷、オルナン付近》 1865年頃 

以前、クールベと海展でも観ました。60×91cmの画面にクールベが生まれたオルナン地方の風景が描かれています。手前から集落へと続く道の先にある家々の壁に当たる光が奥行きを表現し、右側の森の中のまっすぐ上に伸びる木と集落の中の三角屋根や煙突が平板になりがちな風景のアクセントになっています。そして背景の切り立った崖の質感と水面に景色が映るほどゆっくりと流れる川の描写によって、ここで暮らす人達の生活までも描き出しています。まさにクールベの「写実絵画」です。(descriptionはそのときのもの)