*基本データ
場所:東京都美術館
行った日:2019/5
展覧会 URL ⇒クリムト展 ウィーンと日本 1900|東京都美術館 (tobikan.jp)
グスタフ・クリムト《ヌーダ・ヴェリタス(裸の真実)》1899年(部分)
244×56.5cm、画面上に「少数者を満足させるために行為と芸術を行え。多数の人が喜ぶことは悪いことなのだ」というような詩が書かれています。
グスタフ・クリムト《ユディト Ⅰ》1901年(部分)
ユディトは第二正典(旧約聖書続編)ユディト記の主人公。ユダヤの地へ攻め入ろうとする敵国の指揮官ホロフェルネスに近づき、すきを見て首を切り落としイスラエルを勝利に導きます。
この作品は 82×42㎝ の縦型画面にユディトの上半身が描かれています。手にはホロフェルネスの首がありますがユディトの姿に圧倒されてしまい目には入りません。クリムトの他の作品と同様に人物は表情や肌の質感まで緻密に描きこまれていますが、それ以外は簡略化され装飾的です。そして背景に施された金色と黒はユディトの体を画面の中から実体的に浮かび上がらせています。
オーストリアのウィーン分離派は1897年にクリムトを中心に結成されました。世紀末美術に区分されるラファエル前派(イギリス 1848年~)・象徴主義(フランス 1886年~)・ウィーン分離派(オーストリア1897年~)はアカデミズムや古典主義に対抗しているところは共通していますが、ウィーン分離派は1903年にウィーン工房を設立し、建築やインテリア、グラフィックデザインなどを重視しました。(世紀末美術にはアーツ・アンド・クラフツ、アール・ヌーボーなどがあります)