*基本データ
場所:三菱一号館美術館
行った日:2019/5
展覧会 URL ⇒展覧会について | 新しい私に出会う、三菱一号館美術館 (mimt.jp)
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ《ウェヌス・ウェルティコルディア(魔性のヴィーナス)》1863~68年
イギリス、ラファエル前派(印象派の少し前、1848年~)はロイヤルアカデミー付属美術学校の生徒によるアカデミズムに対抗した芸術運動。ジョン・ラスキンは美術批評家・社会思想家でラファエル前派を庇護した人物で、暮らしの中に芸術を取り入れようという思想がウィリアム・モリスや日本の民藝運動などにも影響を与えました。
画題のウェヌスとはローマ神話の愛と美の女神、ギリシャ神話ではアフロディテ。(英語読みでビーナス)83.8×71.2 cmの画面中央に女神の上半身が大きく描かれています。手には矢と金のリンゴを持っています。細部にわたり描きこまれていますが、平面的で装飾的、私的には女神の顔もどこか男性的に見えます。頭部の後ろに見える金の背景は中世の宗教絵画を連想させます。
ジョン・エヴァレット・ミレイ《滝》1853年
23.7×33.5cmの小さな作品。誇張せず、ありのままに描かれたラファエル前派らしい作品。川の流れや水に削られた岩の表現が素晴らしい、右側の意味ありげな女性はラスキンの妻。(のちにミレイの妻になります)
ジョン・エヴァレット・ミレイ《素描》
今回の展覧会で一番好きだった作品。ミレイは11歳でロイヤルアカデミー付属美術学校に入学した神童。アカデミズムに対抗しラファエル前派を結成しますが、最終的にはロイヤルアカデミーの会長になります。
ミレイといえば《オフィーリア》ですが、国立西洋美術館にある《あひるの子》も大好きです。↓(この展覧会の出品作品ではありません)
ジョン・エヴァレット・ミレイ《あひるの子》1889年