*基本データ
場所:国立西洋美術館
行った日:2023/12
展覧会URL⇒もうひとつの19世紀―ブーグロー、ミレイとアカデミーの画家たち|国立西洋美術館 (nmwa.go.jp)
古典的な芸術様式を重んじたアカデミーの画家たちですが、19世紀の変化にとんだ時代に、需要に応じて主題や様式を変え、その伝統と歴史を後世に伝えようと努めました。
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ジョン・エヴァレット・ミレイ《あひるの子》1889年
今回は照明の影響なのか、背景が森で、後ろに道が続いている少し開けた池のほとりに少女が立っているように見えます。手に持っているものは紙に包まれたアヒルの餌のパン、そこにアヒルが集まってきています。この作品について、右側の大きな解説パネルでは、古典的な物語性や寓意性よりも感情に訴えかける情緒を優先させるファンシー・ピクチャー(空想絵画)と紹介されています。
ジョン・エヴァレット・ミレイ《狼の巣穴》1863年
画面には、室内にある大きなグランドピアノの前で、狼ごっこで遊ぶミレイの4人の子どもが描かれています。真ん中の茶色の毛皮に包まれてこちらを威嚇しているのが長男のエヴァレット、その隣で顔を出しているのが次女メアリー、白い毛皮をかぶっているのが次男のジョージ、退屈そうに寝転がっているのが長女のエフィ、そしてグランドピアノが狼の巣穴。ずっと見ていると子どもたちが狼のようにも見えてきます。人物や毛皮、服の繊細で写実的な描写に比べ、背景は荒いタッチで描かれ、スポットライトのように照らす光とともに、主題である子どもたちを引き立てています。
国立西洋美術館の中庭。この美術館には ロダン《考える人》は何体あるでしょう?というクイズの答えは3体です。前庭に2体(1体は地獄の門)と中庭に面したこの展示スペースに1体あります。
常設展を観ます。フランク・ブラングイン《しけの日》1889年
フェルナン・レジェ《赤い鳩と青い空》1953年
藤田嗣治《坐る女》1929年
ポール・シニャック《サン=トロペの港》1901-02年
アリスティード・マイヨール《花の冠》1889年
ジョヴァンニ・セガンティーニ《羊の剪毛》1883-84年
ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ《貧しき漁夫》1887-92年
日本でシャヴァンヌの油彩が常設で観られるのは、ここと大原美術館くらいです。