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その99:沖縄復帰50年記念 特別展「琉球」【ニライカナイとは?】

*基本データ

場所:東京国立博物館

行った日:2022/6

展覧会URL⇒東京国立博物館 - 展示・催し物 総合文化展一覧 日本の考古・特別展(平成館) 沖縄復帰50年記念 特別展「琉球」 (tnm.jp)

ニライカナイとは、展覧会の音声ガイドの中で「海のかなたや海底、山や森などにある、人間の住む世界とは別の世界のことであり、琉球の人は皆、村の幸福や作物の豊穣をもたらす神様はそのニライカナイからやってくるということを信じ、海の向こうから来る人を大切にした、それが琉球王国の繁栄につながった」と紹介されていました。

展示場に入ると、今回の展覧会のシンボルの一つである《銅鐘 旧首里城正殿鍾》(万国津梁の鐘)があります。刻まれている銘文は「わが琉球国は南海の優れた場所に位置し、朝鮮の優れた文化に学び、中国とは切っても切れない関係であり、日本とも親しい間柄である。我が国は東アジアの中間に湧き出た蓬莱島のようなものだ、貿易船を操って世界の架け橋の役割を果たし、国中に世界の産物が満ちあふれている」という内容です。(おきみゅー⇒沖縄県立博物館・美術館(おきみゅー) (okimu.jp)で画像が見れます)

尚家に伝来した宝物のうち、工芸品85点、文書1166点の貴重な一群が、2006年に国宝に指定されました。

国宝 黒漆葡萄螺鈿箱18~19世紀

向かって左 国宝 緑彩四方燭台 19世紀、向かって右 国宝 色絵紅葉文風炉 18世紀

国宝 金装宝剣拵(号 千代金丸)16世紀

柄頭には菊紋と大世の文字が彫られているそうですが見えませんでした。鎺や鍔にも菊紋らしきものが見えます。

国宝 黄色地流水蛇籠鶴菖蒲文様紅型木綿衣裳 18~19世紀

女性用の冬の紅型衣装。黄色地に菖蒲や鶴などが描かれています。

国宝 黄色地鳳凰瑞雲霞文様紅型紋紗衣裳 18~19世紀

少年用で夏の紅型衣装。黄色地に霞文様や鳳凰が表されています。黄色地に鳳凰文様の衣装は王家の衣装にのみ使用されていました。

国宝 黄色地松雪持竹梅模様衣裳 18~19世紀

女性の冬物上着。黄色地に日本の古典模様の松竹梅と雪持笹が染められ、裏面は卍型をななめにつなげた連続模様の紗綾型と桜模様が染められています。裏面が見えるような親切な展示方法。

国宝 空色地流水菖蒲蝶文様紅型苧麻衣装18~19世紀

女性用で夏物の衣装。空色地に、蝶や菖蒲、流水が描かれています。地色は藍で染められ、流水文様の緑色はベロ藍という合成顔料が使用されているそうです。

どれも琉球らしい色合いです。

おまけ