*基本データ
行った日:2021/6
展覧会 URL ⇒クールベと海 展 | パナソニック汐留美術館 Panasonic Shiodome Museum of Art | Panasonic
ギュスターヴ・クールベ 《波》(部分)1869年
「ついに海を見た~」は22歳で初めて海を見たクールベの言葉。49×73cmの画面の中に薄暗い空、荒々しい波の波頭、岩にあたり砕け散る様子が重厚な筆致で描かれています。「波」の連作の中の1枚。
美術館のあるパナソニック東京汐留ビルは、JR新橋駅「汐留口」から右手に「「そらジロー」見ながらまっすぐ進みます。(予約時間があるのでここはスルー)
左側、パナソニックのショールームの隣の階段を上ります。(ショールームからも美術館へ行くことが出来ますがコロナのため閉まっています)
回転ドアの入り口が見えます。
全景はこんな感じです。パナソニックのオフィスビルの4階にあるので、入り口から写真撮影なども制限され、楽しい気持ちはここで半減します。
入り口の反対側です。気づかない程度の看板が立っています、エスカレーターで4階まで上がります。
ロッカー前の看板、これのみ撮影可。(会場の中にも同じような撮影コーナーがあります)
ギュスターヴ・クールベ 《フランシュ=コンテの谷、オルナン付近》 1865年頃
60×91cmの画面にクールベが生まれたオルナン地方の風景が描かれています。手前から集落へと続く道の先にある家々の壁に当たる光が奥行きを表現し、右側の森の中のまっすぐ上に伸びる木と集落の中の三角屋根や煙突が平板になりがちな風景のアクセントになっています。そして背景の切り立った崖の質感と水面に景色が映るほどゆっくりと流れる川の描写によって、ここで暮らす人達の生活までも描き出しています。まさにクールベの「写実絵画」です。
ギュスターヴ・クールベ 《嵐の海》 1865年
54×73cm、真ん中よりやや下に水平線をおき、深い色彩で嵐の空と海を表現しています。ここでの主役は波というより臨場感。絵の前に立つと、風・波のうねり・岸壁にあたって砕ける波の音がそこにいるかのように伝わってきます。絵の前から離れることが出来ません。
クールベは当時の新古典主義やロマン主義に対し「目に見えるものしか描かない」という写実主義を主張しました。1855年のパリ万博では、今ではとても有名な《オルナンの埋葬》《画家のアトリエ》の出品を拒否されたため、自分で万博の敷地内に建物を建てて世界初の「個展」を開きました。個展のカタログに「生きた芸術を作ることが私の目的である」と記し、これがのちに「レアリスム宣言」と呼ばれるようになります。
写真撮影コーナーがいつもよりあっさりしていると思ったら裏にありました。
ルオー生誕150周年だそうです。ルオーギャラリーが常設展示されていて企画展と一緒に楽しめます。美術館を出るときは、ここがオフィスビルの4階だったことなどすっかり忘れています。